墓石の名称や墓石のタイプにはどんなものがある?
2017年4月1日
墓石では古くから形が決められている「和型」が近年でも多めですが、欧米スタイルの「洋型」や好みの形に造形した「デザイン型」などさまざまなタイプがあります。
古くからあるタイプでは、それぞれの部位に故人に対する思いや宗教的・慣習的な意味が込められていますので、お墓作りを考える時は名称や意味を学んでおくのがおすすめです。
墓石には「和型」「洋型」「デザイン型」がある
一般に設置されている墓石には大きく分けて「和型」「洋型」「デザイン型」の3種類があります。
和型は伝統的な日本のお墓で、縦長の竿石が特徴的。
原型は江戸時代に完成されたとも言われていて、日本のお墓の9割はこのタイプです。
これに対して近年都市部などで急増しているのが洋型です。
竿石が横長で、全体的に丈が低め。デザインもシンプルです。
もともとはキリスト教のお墓とされていましたが、最近では仏教を信仰する人でもこのタイプのお墓を選ぶケースが増えています。
既成概念にとらわれず自分らしいお墓を建てたいという希望から、個性的なデザイン型を選ぶ人も増加しています。
音楽が好きだった方向けにピアノ型のお墓を作るなど、形に決まりはありませんから、自由な発想で作る楽しみがあります。
和型墓石の構成と各部の名称
1.竿石
正面に家名を刻むことが多く、お墓の中でもご先祖様の魂が宿る最も重要な場所とされます。
2.上台
竿石をのせる台。正面に家紋を彫ることもあります。
3.下台
上台の下に置く台石。竿石、上台と合わせてお釈迦様の座像をかたどっています。
4.供物台
お供え物を置くための台です。お線香を置くための香炉と一体になっているものもあります。
5.花立
物価をお供えするためのものです。宗派によっては真ん中に水鉢を置くこともあります。
6.墓誌
お墓に入っている故人の戒名や俗名、死亡年月日、享年、略歴などを刻みます。家の歴史などを後世に伝えるためのものです。
7.カロート
お墓に遺骨を納めるためのスペースです。地上式、半地下式、地下式などがあります。「納骨棺」とも呼ばれます。
8.灯籠
仏様への献灯をイメージして設置されるお墓の飾りです。実際に灯を入れることはありません。
低コストで開放的な雰囲気があり近年増加している洋型
和型が縦長で人の背丈ほどの高さがあるのに対して、洋型は竿石が横長。背丈も一般的に膝丈程度です。
そのためお墓が明るく開放的に見え、使う石が少なく構造がシンプルであることから、低コストで購入できることなどが注目されています。
都市部では特に人気が高まっていますが、霊園・墓地によっては統一性などを理由に規制されているところもあるので、確認しておくのがおすすめです。
まとめ
お墓のタイプについては、帰依している宗教や宗派による決まりや地域ごとの個性、霊園・墓地の規定などがあります。
お墓を作るときにはまずそれを確かめた上で、好みやコストなどに考慮して選択するのがよいでしょう。