知っておくと得する、前もってお墓を建てるメリット
2017年4月4日
お墓は死後に建ててもらうものという考えが一般的ですが、実は生前に建てるケースも少なくありません。
生前に建てるお墓は「寿陵(じゅりょう)」と呼ばれ、古くから縁起のよいものとされてきました。
残された家族の負担軽減や節税につながるなど実質的なメリットも大きいので、検討してみる価値は大きいと言えます。
お墓を建てる時期は決まってる?
お墓を建てる時期に特に決まりはありません。
ただ死後であればなるべく早くにお墓を建てて亡くなった方が落ち着けるようにするのがよいとされています。
49日や一周忌法要、初盆、お彼岸などの法要に合わせて納骨できるよう、お墓を建てるケースが多めです。
一方、生前に自分のお墓を建てるケースもあります。
寿陵(じゅりょう)あるいは寿冢(じゅちょう)・寿蔵(じゅぞう)などと呼ばれ、古い中国のしきたりでは長寿を授かる縁起のよいこととされました。
そのため秦の始皇帝など多くの権力者が生前にお墓を建てたことが知られています。
日本でも聖徳太子が寿陵を建てるなどやはり縁起のよいこととされています。
死後に建てるにしろ生前に建てるにしろ、墓地を探して墓石を決め、工事が完了して開眼法要を済ませるまでには一般的には半年程度の期間がかかります。
必要と考える時期から逆算して、早めに取りかかるのがよいでしょう。
生前にお墓を建てるとさまざまなメリットがある
生前にお墓を建てると縁起がよいだけでなく、実質的メリットも多々あります。
まず自分の好きな場所やお墓のタイプを自由に選ぶことができるというのは大きな利点でしょう。
死後は「なるべく早めに」というプレッシャーのもとで墓地などを探すことになりますが、生前であれば時間に限りはないので、納得できるまでゆっくりと探すことができます。
生前にお墓を建てると余計に費用がかかる?
費用面では自己負担で建てるので、家族の負担軽減にもつながります。
お墓を建てるには墓石の購入費用に加えて永代供養料などが必要です。
地域によって価格差がありますが、全国平均は200万円程度となっており、残された子供たちには大きな負担となります。
生前にお墓を建てておけば、こういった負担を残さずにすみます。
またお墓は相続税の課税対象ではありません。
お墓の購入コスト分、相続財産が減少するので、生前墓の購入は相続税の節税策としても有効です。
開眼法要を行い名前を朱書きする
墓地の区画を契約し墓石を建てただけではお墓として認められません。
お墓として宗教的な意味合いを持たせるためには僧侶を招いて「開眼法要」を行います。
法要を行うことで先祖の魂とのつながりができ、供養に役する施設としての意味を持つのです。
墓石には建てた人の名前を朱書きします。
周りの人は、お祝いが必要?
この開眼法要はおめでたいこととされており、以前はご近所の方や親戚などを呼ぶのが一般的でした。
呼ばれた側はお祝いをお渡しすることになります。
祝儀袋に「建立祝」と表書きするのがよいでしょう。
金額は関係性や地域などによって違いますが、知人や親戚であれば1~3万円。
家族であれば3~10万円程度が相場です。
まとめ
お墓を建てるのには墓地・霊園選びから墓石を選んで購入し、開眼法要を行うまで大きな手間がかかります。
また平均で200万円程度など費用負担も大きく、子供たちにとっては大きな負担です。
縁起がよいとされており、税制面でもメリットがある生前墓を検討することは、親としての思いやりを示す行為と言えるかもしれません。