法要はなんのために行うのでしょう?

2017年3月26日

 

法要の意味について説明します。法要とは故人の冥福を祈るために行うもので、仏壇やお墓を前に供養として僧侶を迎えて読経などをするものです。忌日法要や月忌法要、年忌法要など法要を行う日には決まりがあります。またそういった宗教的な意味合いの他に、親戚や地域の人が集まることで絆を再確認する意味もあります。

仏壇やお墓を前に故人の供養を行うのが法要

「法要」は仏壇やお墓を前に僧侶を迎えて供養を行うことを言います。これに挨拶や会食などを加えた一連の営みを「法事」と呼びます。

 

法要の目的は故人を偲んで、感謝の気持ちを確認することです。親戚や知人、地域の人たちが集まることで、故人を通じて形成された絆を再確認する場でもあります。

 

また宗教的には故人の冥福を祈る行事でもあります。よくお通夜や葬儀の場などで「ご冥福をお祈りします」と挨拶することがありますが、その意味はあまり意識されていない気がします。

 

冥福とは「冥土での幸福」であり、具体的には「死後の世界である冥土の旅を無事に終えて、よりよい世界に転生できますように」と祈るのが、冥福を祈るという行為の意味です。

法要には忌日法要と月忌法要、年忌法要がある

法要には日数単位で行う忌日法要(きにちほうよう)、月単位で行う月忌法要(がっきほうよう)、年単位で行う年忌法要(ねんきほうよう)があります。

 

これらを行う理由の基には、仏教特有の「輪廻転生」という考え方があります。亡くなった人は来世に生まれ変わるとされる考え方で、来世には天、人間、修羅、畜生、餓鬼、地獄という6つの世界、六道(りくどう)があると考えられています。

 

さらにこれらを超えた世界として極楽浄土があり、どの世界に生まれ変わるかは、死後に受ける裁きによって定められます。

 

裁きは閻魔大王を座長とする十王が集って死後7日ごとに行われ、最終的な判定は四九日後に下されます。そのため仏教では7日ごとに法要を行い、よりよい裁きが下されるよう「善」を送るのです。ですから四九日までの法要は「追善供養」と呼ばれます。

 

「善」を送るということは「功徳」を送るとも言われます。「お父さん、お母さん私たちを育ててくれてありがとう。あの世で達者に過ごしてくださいね。」とお祈りすることで、ご先祖からも「浄土で見守っているから、元気に暮らせよ。」と返事が聞こえてくる気がするのは私だけでは無いと思います。

 

法要とはただ義務的にするものではなく、このようなご先祖様との交流を通じて私たちが幸せに生きるための必要不可欠な行事だと思います。

 

また同じく初七日から7日ごとの忌日法要と三十三回忌までの年忌法要には、仏様が順次入れ替わりながら、故人が仏となれるよう教えを授けてくださいます。全13回の機会を担当する仏様を「十三仏」と呼びます。

法要ごとに教えを授ける十三仏は異なる

■忌日法要

命日を含め7日目:初七日(しょなぬか) 釈迦如来

14日目:二七日(ふたなぬか) 文殊菩薩

21日目:三七日(みなぬか) 普賢菩薩

28日目:四七日(よなぬか) 地蔵菩薩

35日目:五七日(いつなぬか) 弥勒菩薩

42日目:六七日(ろくしちにち) 薬師如来

49日目:七七日(しちしちにち) 観世音菩薩

100日目:百か日 勢至菩薩

 

年忌法要

1年目:一周忌 阿弥陀如来

2年目:三回忌 阿閃如来

6年目:七回忌 大日如来

12年目:十三回忌 虚空蔵菩薩

32年目:三十三回忌 不動明王

まとめ

法要はもともと仏教に根ざした宗教行事として大切にされてきました。仏教と親しむ人が減った現在も多くの方が営んでいるのは、故人の冥福を祈るという共通の目的を持って親戚や地域の人たちが集まることに、やはり大きな意味があるからと言えそうです。